宿曜とは?
弘法大師空海が、中国から持ち帰ったのが、密教の占星術「宿曜経」です。
「すくようきょう」「しゅくようきょう」と読みます。
この宿曜経が成立したのは8世紀後半、空海が出会ったときは成立してから40年後のことといわれています。
宿曜経をまとめたのは、インド人僧の不空といわれています。
不空は中国に密教を伝えた人物です。
空海がもたらした宿曜経は、宿曜道という占いの一派として、平安時代には陰陽道と対抗するほどの隆盛をみることになります。
陰陽道の陰陽師とともに、宿曜道の宿曜師は、平安時代には貴族社会を二分する勢力となっていました。
その宿曜が、現在ではあまりなじみがないのは、宿曜師は密教僧であったこと。
また、吉凶判断は口伝で伝えられていて、一般に文書の形で公開されたのが、20世紀に入ってからだといわれています。
また宿曜は、為政者の占術として脈々と続いてきました。
たとえば、徳川家康は、宿曜をよく使った人として知られています。
豊臣家を滅亡させるために、家康は孫娘の千姫を、豊臣秀頼の正室として嫁がせます。
豊臣秀頼と千姫の関係は「安・壊」。
秀頼からみた千姫は「壊」、千姫から見た秀頼は「安」。
「壊」は破壊の作用がある相性のことで、家康は、婚姻を通じて豊臣家の滅亡を図ったといわれています。
生年月日からホロスコープを割り出す
宿曜では、生年月日からホロスコープを作ります。
そのホロスコープは、現世・過去・未来に分けられていて、自分自身の星との関係と距離から、相性をみます。
それらの相性には、次のようなものがあります。
【安・壊】の関係
一方からみると安心できる相手、もう一方から見ると破壊の作用を受ける相手、という関係です。
引き合うエネルギーが強い間柄なので、急速に親密になりますが、その反動でお互いに傷つけあったり、憎み合ったりすることになりやすい関係です。
良い関係にあっても、周囲からトラブルが持ち込まれるなどして、関係に亀裂が入ることもあります。
しかし、【安・壊】の関係で結婚している人たちも多いので、あらかじめ相手を破壊するような作用が働くことを理解し、互いの本命宿の本性を知って対応すれば、関係を壊すようなトラブルも回避できるでしょう。
【栄・親】の関係
生涯を通じて、良い関係をキープできる間柄です。
ビジネス関係としては成功しやすい相性。
栄とは栄華、親とは親しみなので、互いに信頼し合って仕事を進めることができます。
宿曜占星術では最高の相性といわれます。
【危・成】の関係
一方は危険を感じますが、もう一方にとっては何事かを成し遂げるには必要な人物という関係です。
徳川家康と織田信長、豊臣秀吉がこの関係であったといわれています。
お互いにライバル心が起こりやすいので、良い相性がでれば、互いに向上心を持って研鑽する間柄です。
【友・衰】の関係
文字のごとく、大好きな友だち・親友関係を築くことができます。
しかし、どちらかが衰退する、つまりエネルギーを相手に奪われるという間柄。
一定の期間は、良い関係を構築できますが、いずれは別れてしまいます。
しかし、別れても恨むようなことにはなりません。
毎日、顔を合わせるような関係になると、衰のほうが気を使ったり、または運気を逃したりします。
宿曜占星術のおもしろいのは、これらの関係は表裏一体であること。
たとえば、自分から見て「安」の場合、相手からは「壊」になります。
つまり、自分がどう感じ、どう思おうとも、相手は自分と同じように感じていない、思っていない、ということを、宿曜占星術は教えてくれます。
姓名鑑定の場合でも、どちらが気をつかっているのか、エネルギーを与えているのはどちらなのか、といったことがわかります。
ところが、不思議と宿曜のホロスコープとも重なっていて、やはり名前と生年月日というものが、どこかでリンクしているのだと感じることが多いのです。
これも天の配剤というものでしょうか。
【命・業・胎】の関係
前世から来世へとつながる関係で、特に前世で深くかかわりあった間柄とされています。
【命・業・胎】の関係は似た者同士になりやすいので、相手の考えがわかりやすいという面があります。
もしも、前世の悪縁でかかわりができているのであれば、しつこくつきまとわれ、凶が増大してしまいます。
逆に良縁だった場合には、安心して付き合える信頼関係が築けるます。
【命・命】の関係
自分と同じ本命宿の人との関係になります。
はじめのうちは話があって、とても良い感じがしますが、同じ個性・本性が現れているため、後にはケンカ別れになる可能性があります。
人間関係をよみとく宿曜占星術
宿曜占星術のホロスコープでは、自分の本命星が「命」となります。
宿曜占星術では、人間関係は3つのグループに分けられており、
「命」・栄・衰・安・危・成・壊・友・親(現在の関係)
「業」・栄・衰・安・危・成・壊・友・親(前世の関係)
「胎」・栄・衰・安・危・成・壊・友・親(来世の関係)
と考えられています。
また、自分の本命宿からの距離が、その人間との親密度や関係性、影響の度合いと比例しており、近いほどエネルギーの交流が多く、遠くなれば少なくなります。
たとえば、最高の相性である【栄・親】の関係であっても、遠ければ縁が薄くなります。
また、【安・壊】の破壊作用も、遠くなれば薄れます。
単純な相性占いではないところが、宿曜占星術の特徴であり、現実の人間関係を読み解くことに優れているのです。
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