現代でもなくならない冤罪事件。

一度うたがわれたら、一般社会に戻ってくるのが難しい時代を反映しているのが、罪を減じる霊符です。

身に覚えがない罪は宿業によるものとして考え、過去の罪を現世に持ち越さないようにするために、霊符を所持するという考え方です。

前世の因縁から無実の罪に問われる。

そんなこと、あるわけないじゃん、と思っている方はとても多いと思います。

しかし、インターネットが普及してい20年以上も経過し、ネットのない生活が考えられなくなってきています。

スマホを持ち歩かないで生活できますか？

そんな時代に生きている私たちは、いつ犯罪者呼ばわりされるかわからない時代に生きているともいえるのです。

すでにアメリカで実施されているのが、犯罪「事前」捜査です。

SNS分析ツールをつかって、膨大な投稿の中から、テロやデモを計画している人を探し出し、犯罪計画を未然に防ぐというのです。

あなたが友だちとしてつながっている人物が、もしもテログループの一員だったら、なんの関係もないあなたも「関係者」としてSNSでの投稿はもちろん、ネットからわかる位置情報や人間関係から捜査されます。

また、犯人のプロファイルから、あるバンド、またはアイドルのファンであることがわかった場合には、そのイベントやライブに集まる人すべての携帯電話の機種特有のIDを割り出し、電話番号も割り出すことも現実に行われています。

携帯電話は、もっとも近くにある電波の強い基地局とつながろうとするので、ニセの基地局であっても勝手に接続され、その基地局を経由した情報はすべて盗聴されてしまいます。

何度か、犯人が出没しそうな場所で、この携帯電話の盗聴を行うことで、犯人を特定するということも可能になっているのです。

【一田和樹 江添佳代子】「犯罪『事前』捜査」 知られざる米国警察当局の技術」

日本では、すでにネット犯罪で冤罪によって逮捕・拘束された人物がいます。

つまり、犯人が巧妙になりすましを行えば、無実でも犯罪者に仕立てられてしまう時代になっています。

そして警察は、ほとんどの場合、あまり役に立たないどころか、犯罪捜査を行う過程で、あなたが犯罪者であることに確信する可能性が高いのです。

おそろしいことですが、ネット社会とは、真実をねじ曲げることが簡単にできるという社会でもあります。

フェイスブックもツィッターもグーグルも、アメリカ政府に情報を渡していることを認めています。

アメリカ主導のもと、日本でも同様の事前捜査が進展していくようになるのは、まちがいありません。

事前に捜査して未然に防ぎたい国家の都合で、わたしたちのプライバシーは侵害されていくのです。

でも、取り調べも録画されるようになって冤罪なんてありえないでしょう？

いいえ、ありえるのです。

最新の認知科学の研究では、自分から見て、顔が見える人のほうが議論を誘導しているように感じる、企みがあるように見えるというのです。

画面では、顔が大きいほうが注目を集めるため、見ている人の注意がその人に集まり、犯罪に対して、その人が行ったという確証をなんとかつかもうとします。

人間の脳は、NOの証拠より、YESの証拠を探したがります。

そのため、取り調べの録画で、調べられている容疑者や参考人の顔が大写しになり、やってもいない犯罪について質問を浴びせられている様子を見ている者は、その人が有罪であるかのように錯覚し、そのうち有罪であると信じるようになるのです。

このような認知の問題を解消するためには、横から、取り調べをする担当官と取り調べを受ける容疑者や参考人が均等に映るようなアングルから撮影すべきなのです。

取り調べの録画が進むことによって、もしかすると、もっと冤罪が増えるかもしれません。

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