９月９日を重陽（ちょうよう）の節句といいます。

重陽の節句は、５節句のうちのひとつ。

一年には５回の節句があるのですが、ご覧のとおり、奇数の数字が並びます。

陰陽思想では奇数は陽の数として考えられていますが、奇数が月と日で重なると陽の気が強まるとされています。

そのなかでも９月９日は、最も大きい奇数が重なることから「重陽（ちょうよう）」の節句となりました。

節句とは、奇数が重なって陽の気が強すぎることから不吉であり、同時に邪気が強まるためにこれを祓う行事として行われていました。

のちに、陽の気が最大となる「重陽」の節句は、長寿を祝う節句へと転じています。

菊の花びらを酒に浮かべて飲むというのは、重陽の節句では定番となっていますが、菊に綿をおいて露を染ませて身体をぬぐうことで長寿を祈ることも行われています。

菊なんて９月に咲いていないぞ、と思った方、正解です。

重陽の節句にかぎらず節句とは、本来は旧暦、すなわち太陰暦で行うものです。

現在の太陽暦のカレンダーの9月9日は、太陰暦では2018年07月30日にあたります。

太陰暦では、今年の重陽の節句は、10月17日になります。

とはいえ、一般的には太陽暦の9月9日が重陽の節句を祝うときとされていて、毎年同じです。

太陰暦にこだわる方は、太陰暦の9月9日を確認なさった方が良いと思います。

重陽の節句の前夜に、菊の花の周囲に綿をめぐらし、節句の朝に綿をあつめ、健康長寿を祈りながら、露に湿った綿で身体をぬぐってください。

菊の節句でもある重陽の節句では、菊酒のほかにも、食菊のお浸しや栗ご飯を食べるという習慣があります。

また、９月の９のつく日に茄子料理を食べると、中風にならないとされていました。

株式会社ポーラの研究から、食用菊には、生体内の解毒物質「グルタチオン」の産生を高めることが発見されています。

また、食用菊に含まれているクロロゲン酸とイソクロロゲン酸には、発ガン予防効果や悪玉コレステロールを押さえる効果などがあると発表されているのです。

まさに邪気を祓う食べ物が菊なんですね。

食用菊を食べることなど、現代ではほとんどありませんが、重陽の節句にはぜひとも食べておきたいものです。

菊の節句、重陽の節句として古来から親しまれてきた９月９日ですが、ほかにもいろいろな理由のある日になっています。

• ノストラダムスの終末の予言の日は1999年９月９日
• 明治４年９月９日に時間の数え方を西洋式に改めた

なんだか、因縁めいていますね。

これらの理由から、９月９日は「世界占いの日」になっています。

ほかには、

• 厚生省(現在の厚生労働省)が1982年に制定した「救急の日」
• 「チョロＱの日」
• カーネル・サンダースの誕生日「カーネルズデー」
• 「ロールケーキの日」

というのもありました。

陽の気が満ちる９月９日ですから、エネルギーをうまく活用したい一日です。 

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